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OFF対談(中) 非言語系の能力が今、リーダーに求められている

前回の「OFF対談(上) 非言語系研修はブレークしつつある」に続く第2弾。

「人と組織が持つ可能性を最大化する」をテーマに掲げる人事サービス会社、株式会社人材研究所の曽和利光代表取締役と、日本ブラインドサッカー協会の松崎英吾事務局長が対談です。

 

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松崎:人事担当者レベルからすると、経営層とか職位のある方が言語系と非言語系のバランス感覚を持つこと、という課題感を持ちにくいのかなっていう気がします。

 

曽和:そうですね。新人で入ってきたら、まずはロジカルシンキングとか、きっちり言語系のフレームをある程度までキャッチアップして来なさいということになるので、非言語系に関してやるという感じではないです。特に日本の企業は、オペレーションの力で勝ってきた会社が多いので、中堅以下の能力開発、キャリア開発が育成の中心だったわけです。

 

松崎:そうですね。

 

曽和:ですけど、今って、そうじゃないです。次世代リーダー育成、卓越したリーダーをいかに継続的に切れることなく生み出していくのかが企業の競争力強化につながると考え、かなり上の方の人のキャリア開発や能力開発になってきています。そういう時に、いわゆる経営幹部に近い人たちが左脳的、言語的、意識的なフレームワークに寄ってしまっている。ある特定の勝ちパターンに最適化してきたから出世しているわけで、そっち側に寄っている人が増えていると感じるんですよね。だから、まだ情報が足りない中での意思決定とか、あるいは陳腐化してきた勝ちパターンを外れて、新しいものを出していかなければならない時に、違った力を身につけていなくてはならない。

 

松崎:なるほど!

 

曽和:次世代リーダー育成とか役員研修とか幹部研修になればなるほど、むしろ非言語的な能力を欲しているニーズというのをよく聞くんですよね。

 

松崎コンサルティング会社の方々に会った時に、マネージャークラスとシニアになる人たちの間に、大きな隔たりを感じました。皆さん、すごくロジカルで、スマートで頭も切れるけど、シニアになる人たちは全然違う雰囲気だなと。この雰囲気って何なんだろうと思った時に、今言っていただいたようなアート的な部分だなと思います。

 

曽和:ダニエル・ピンクが著書『ハイ・コンセプト』で言っていたと思うんですけど、今、マッキンゼーとかでもMBAホルダーももちろん取っているんだけど、最近はMaster OF Fine Artsを持っている人を採用したりしているそうです。結局、みんなのレベルが上がっちゃったので、左脳的なところでは差がつかないんです。基本的に、データや計算は、同じ手法を使って、同じ分析をすれば、同じ結果が出てくる。昔は分析の仕方にうまい下手があったけど、今は全体が底上げされた。結局、差がつくところはやっぱりアートの部分ですよね。

 

松崎:非言語系研修が需要喚起されてる背景は、よくわかりました。非言語系研修は全体的に盛り上がっているんでしょうか?

 

曽和:先進的な人々の中で起こっているだけであって、まだ一般的にはブレークしてない。いくつか問題があると思っています。まず、人事担当者がこれを理屈で説明できない。心理学など背景にあるものがあまりよくわからずに、子供の遊びみたいだなと思ってしまう。「それで何がわかるの?」と上の人に言われたら、ロジカルに説明できない。あとは、研修効果の測定で、非言語系の場合、より工夫しないと結果が「面白かった」で止まってしまう。何が変わったか、どこに力がついたのか、売り上げに貢献したか、というあたりの開発は、我々の会社を含めてもできていない部分がある。それから、研修を提供する側に手法にこだわる人が多い。受ける側は、何か解決したい課題があって、その解決に適切なものを考えて、あとは会社の文化やテイストに合わせて、レゴがいい場合もあれば、ブラインドサッカーがいい場合も、他がいい場合もある。提供する側が、自分の得意なものですべてのことを解決しようとしがちだなあと。もうちょっと手を取り合ってというか、「マッピング」のようなものがあれば…。

 

松崎:この課題に対して、この解決策というマッピングですよね。

 

曽和:僕らが作らないといけないかもしれませんけど…。言語系の研修だったら、こういう課題なら、こういう知識やスキルをインプットすることによって、一部解消されます、という提案をしてくれる会社があります。一つの非言語系の研修に興味を持っている人も、他のを知るというのがあるといいと思います。互助組織、アライアンスというか、志ある者同士が提携して、お互いに紹介したりできるといいですよね。人事の側からみると、診断方法とその処方箋が明快になっていったら、ブレークする気がしているんですよね。

 

松崎:今度、何か一緒にやりたいですね!本当に。



次回は最終回の第3弾。

「 OFF対談(下) OFF TIMEの威力は、あえて言葉にしない。“積極的思考停止”を」へと続きます。

 

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