OFF T!ME|目をOFFにすると、発見がある。

日本ブラインドサッカー協会が運営する、ブラインドサッカー体験プログラム「OFF T!ME」のブログです。ブラインドサッカーで培ってきたものが、コミュニケーション、チームビルディング、ダイバーシティ理解に効果をあげています。

色んな方々にご参加いただいてます 【つぼ】

 

こんにちは!協会スタッフの「つぼ」こと、大坪英太です。
 
 
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ぐっさん達と同じく、OFF T!MEでは講師として活動をしています。
他にもイベント会場でのブラサカ体験など、様々な場所に顔を出しています。
 
 
 
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写真のユニフォーム、どこのチームか分かりますでしょうか?イングランド・プレミアリーグに所属するEverton FCというクラブなんですが、実は私、こちらのチームのサポーターなんです。
(以前にはこのチームのユニフォームを着てOFF T!MEに参加していたことも)
Everton FCはスタジアムの雰囲気、特にサポーターの一体感が素晴らしく、熱いサポーター達で有名です。
 
 
 
話は変わりまして、OFF T!MEも始まってちょうど1年ほどが経ちまして、これまで色んな方々にご参加いただきました。
年齢・性別・職業が違うだけではなく、様々な国籍の方にもご参加いただいております。
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これだけ多様な方が参加されているにもかかわらず、ワークを通して一体感がどんどん醸成されていく様子は、何度見ても面白いなと感じています。
参加された方からも、「初めて会った人とこんなに仲良くなるとは思わなかった」という感想を聞くことも多いです。
 
 
普段の生活の中で、異業種の人など、自分と違う環境にいる人と接する機会ってあんまり多くないな、という方、多いと思います。でも普段会わない人に会うのは新しい刺激も多く、楽しいですよ!
 
 
ぜひぜひOFF T!MEでお会いしましょう!

次は松崎さんにつなぎます! 

 

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*OFF T!ME(オフタイム)

 平日も、休日も、昼も、夜も、開催中。

 http://www.offtime.jp/

 

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第5回目のOFFインタビューは私の中・高・大の先輩である鈴木さんです!!

こんにちは!ブラインドサッカーの選手をしておりますハジこと寺西一です。

 

 今月最初のオフインタビューは、私の中学、高校、大学の先輩であります鈴木里子さんにインタビューをさせていただきました。スポーツが好きで、とても活発なキャラクターの鈴木さん。ご自身も視覚障がい者で、その立場からも貴重な話をうかがえました。

 

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ハジ:鈴木さんには去年の7月にオフタイムに参加していただきました。その前までに、ブラインドサッカーに接する機会はありましたか?
鈴木:学生の頃だったでしょうか。どんな機会だったかは、はっきりとは覚えていないのですが、やったことはありました。なので、アイマスクをするとか、ボールから音が出るとかの基本的なルールとやり方は知っていました。


ハジ:オフタイム自体はどのようなきっかけで知ったのですか?
鈴木:会社の別の部署の人から「人事の皆さん、いかがですか?」と案内が来ていたんです。それと同じ時期に、部署の後輩から「寺西という後輩がこういう活動をやっているようです。皆さん、行きませんか?」と呼びかけてくれたんです。学生時代にブラインドサッカーを体験したことがありましたし、体を動かすことも好きなので参加しました。


ハジ私の高校の時の先輩が、偶然、鈴木さんの会社で働いておられて、しかも人事の仕事をしておられると聞いて、少々無理を言って来ていただいたんですよ。実際に体験をされた感想はいかがでしたか??
鈴木
私自身も弱視ですし、盲学校にもいたので、見えない人に接することには慣れていますし、どのように伝えると良いかもわかっているつもりでした。でも、向かい合っている人の動きを自分と同じ向きにいる人に伝えて動いてもらわなくてはいけなかったんですが、とても難しかったです。


ハジ左右が逆転するだけで、かなり混乱しますよね。うまく伝えられない時が私もよくあります。他のワークはどうでしたか。
鈴木:全員がアイマスクをして動くワークがあったのですが、普段見えている人がアイマスクを着けて一斉に動き出すとおそらく収拾がつかなくなるし、下手に動けば混乱し衝突の危険があると思いました。だから、手をたたいて音を出して他の人との違いを表したり、時には自分から、いち早く声を出してリーダーシップをとって周りを集めたりしました。

 

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ハジ見えないという経験が他の参加者の人よりもあるからこそのアイデアですよね。「コミュニケーションの癖」と私達は時々表現したりしますけど、まさに鈴木さんだからこそできるコミュニケーション術を発揮したわけですよね。そういった鈴木さんへの他の参加者の方の接し方ってどんな感じでした??
鈴木:私の場合は、視覚障害と言っても見えているので、周りが心配するほど難しいことはありませんでした。一緒にやったら、普通にできちゃったって感じです。最初は「上から投げても平気ですか?」と聞かれましたけどね。


ハジ意外とそうなんですよね。少し前に外国人の参加者の方にこのインタビューをしたことがあるのですが、同じようなことを言っていました。その人の場合は日本に住んで長いので、言葉で不自由することはそんなになさそうでしたが、やはり周りの人が勝手に気を使ってしまうようですね。会全体としては何か感じられた部分はありますか??
鈴木:私は人事の仕事をしていますし、企業研修でも使われているプログラムであるということも知っているのですが、サッカーと名前がついているので、たとえ研修と言われていてもボールを蹴りまくるものだろうなと感じてしまう人もいるかなと思いました。


ハジこれは私達も課題というか、結構ジレンマですね。ボールを蹴りまくれて、研修のプログラムとして学びのあるものだといいんでしょうけど。サッカーの技術とか運動経験がそれぞれの人で差がついてしまって、そこを埋めるので精いっぱいになってしまうんですよね。でもいつかはもっとボールを蹴ることができて、学びのあるワークを作りたいと思っています。
鈴木話で聞いていても、サッカーをやると思ってくる人も多いと思うんですよね。


ハジもっと蹴りたかったという人は、たくさんいますね。話は変わりますが、オフタイムで知り合った皆さんで集まって飲み会をしていましたよね。私達からすると、参加者の方が集まって飲むってちょっと新しいと思いましたし繋がりを持っていただけるってとても嬉しく感じたのですが。
鈴木
私としては、そんなに珍しいことではなくて、異業種の研修とか交流会などで知り合った人と飲みに行ったりすることは良くあるんですよね。


ハジなるほど!共通の話題もありますし、差こそあれ、目的を持って参加されている皆さんなので打ち解けやすいですよね。最後になりますが、オフタイムを勧めるとしたら、どんな人に勧めたいですか??
鈴木団結をこれから必要とする人達にはお勧めですね。あの時、一緒にやったという思いから仲間を作ることもできるでしょう。大学生だと授業がバラバラなので、そこまで深くは難しいかもしれないですね。


ハジ団結とか、あの時一緒だったっていう繋がりの中から飲みに行けるような仲になれればいいですよね。
鈴木
私の会社でも新入社員研修では、なるべくいろんな組合せのグループを作るようにしています。そうすることにより、一緒に何かをやったということからお互いの関係ができてくるのものです。

 

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ハジ何も知らない手探りの中で共通の体験があると、それだけで一気に距離が縮まりますよね。本日はインタビューに答えてくださりありがとうございました。  

 

今回のインタビューでは一人の参加者としての視点のみならず、視覚障がい者としての視点や人事の仕事をしている中での気づきなど、いろいろな視点から語っていただきました。後輩としてもとても興味深くお話を伺わせていただきました。鈴木さんありがとうございました。

 

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続・第4回目のOFFインタビュー、オフタイマーから選手へと転身したタケさん!〜後編〜【ハジ】

前編に引き続き、オフタイム参加者から選手へと転身したタケさんこと竹内さんのOFFインタビュー後編。

 

竹内さんは、過去4回オフタイムに参加され、先日1/31に行われたマーブルカップで念願の試合デビューを果たしました。チームは善戦するも1失点が響き、出場5チーム中最下位という結果に終わりました。試合後の竹内さんに初めての試合について語ってもらいました。

 

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ハジ:試合お疲れ様でした。2年越しの試合デビューという夢がかなったわけですが、率直な感想を教えてください。
竹内:難しかったです。体験会や練習とは全然ちがいましたし。でも全部で4試合やって慣れてきたということと、自分がプレイヤーとしてどういうプレーが得意なのかということがわかったような気がします。

 

ハジ:決定的に練習と違ったところってどこでしょう?
竹内練習では多くても2対2とかをやっていて、自分以外の3人のいるところを把握していれば良かったのですが、試合となるとそれが7人に増えるんですよね。しかも、練習の時よりもコートが広いので基準となる自分の位置ですら怪しくなってきますし。

 

ハジ:これは何年続けても課題として残ってきますね。私もだいたい10年くらいやっていますが、すべてを完璧に把握しているかと言われれば完璧とは言い切れないですから。そんな中でも徐々に慣れていき、自分の得意なプレーを見つけられたわけですが、そこまで到達することができた理由は何なのでしょうか。
竹内:これがブラサカが持っている力だと思うのですが、ほとんど初めて会ったような人達と下の名前やニックネームで呼び合っていたんです。オフタイムではそうだと思うのですが、仕事とかではこれは当たり前ではないことなんですよね。たいていの場合、さん付けとかで呼んでしまうんです。自分の場合はこれは年下の人が相手でも同じです。でも、試合ではさん付けとかで呼んでいる間に展開は変わってしまう。だから呼びやすい名前で呼ぶんです。そうすることで、意識しなくても相手との距離が縮まりチームとしてのまとまりができてきました。

 

ハジ:オフタイムそのものですね。年齢も所属もバラバラの人達が一つの目標に向かって団結していく。結果は最下位と振るわなかったですが、可能性を感じさせてくれるチームでしたね。もし来年この大会があったら出場されますか?
竹内:もちろん出場します。そして念願の1得点と1勝を手に入れたいです。
自分はどちらかと言えば守備が得意だと思うので、必ずしも自分で得点するのではないかもしれませんが、やはり勝ちたいので、必ずリベンジします。

 

ハジ:また練習にも遊びに来てくださいね。リベンジに向けて一緒にがんばりましょう。

 

インタビューに答えてくださった竹内さん、ありがとうございました!

 

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秋にスポーツをするといい理由【けんも】

こんにちは、けんもです。みんなのOFF T!ME 第5回目!

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唐突ですが、みなさん、体動かしてますか??
スポーツの秋とはよく言いますが、なぜ秋にスポーツをするといいのでしょうか。
 
この言葉が定着したのは、1964年の10月10日に東京オリンピックが開催され、以降10月10日が体育の日と制定されたことがありますが、実は、秋は身体の基礎代謝が一番高まる時期なんですね。
 
夏は暑くエネルギーが発散されにくく、冬は寒さを保とうとするためエネルギーを放出して体温を保ちます
この時に、普段から運動をして基礎代謝を高めておかないと、エネルギーの放出で体温を保つことができず、体脂肪をためて体温を保とうとしてしまうのです!
 
そんなに食べてないのになかなか減らないわ。
そんな体験がある方はこの基礎代謝が要因かも知れません。
 
なので、秋にスポーツをして運動しておくことが、冬の時期における身体の良いサイクルを作ることになります。ストレッチをしたり、ジョギングしたり、歩くのを早歩きしてみたり、日々の積み重ねが大事ですね。
 
 
今月のOFF TIME でも皆さん良い汗をかいていらっしゃいました!
 
 
目にも口にもマスク。。 みんなはどこだー

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僕はここでーーす!

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時間内に目標達成!!!

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3、2、1、VOY!!!! 

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声について触れてみます【けんも】

こんにちは、けんもです。みんなのOFF T!ME 第4回目!

 
スポーツの秋がやってきました!
今回のOFF T!MEは大学生から大手企業の人事責任者、美容室経営者とスタッフの方と、多様な方にお集りいただいた会となりました。
 
 
今回は「声」について少し触れてみたいと思います。
自分を知ってもらい、相手に好意をもってもらうためには、
いつもよりハキハキと大きな声を出してみると、より相手に伝わり易いと言われています。
 
大きな声を出すにはまずは腹式呼吸が大事です。
呼吸をする時、お腹をふくらませたり、へこませたりします。声を出す時に吐く息の量が増えるため、声量が大きくなります。
 
それから声を遠くに飛ばすこと。
少し顔をあげ、放物線を描くように上に向かって飛ばします。受け取る相手も音源が何処なのか分かり易いですね。
 
アイマスクをした状態で相手に伝えなくてはいけない中で、どんな風に声を出して伝えるかにも思いやりを込めることができるんですね!
 
チームの人達を信頼して行動すると、勇気を持った行動ができました!久しぶりの運動も楽しかったです!
 

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音を選ぶこともできるようになりました!
 

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チームのパフォーマンスをどう高めるか!素敵な会となりました!
 

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「非言語系研修」という人材育成の新たなトレンド:曽和利光さんが語る「ロジカルシンキング」の罠

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「人と組織が持つ可能性を最大化する」をテーマに掲げる株式会社人材研究所の曽和利光代表取締役と、日本ブラインドサッカー協会の松崎英吾事務局長が対談。ブラインドサッカーの体験型ワークショップ「OFF TIME」を題材に、ビジネス研修のトレンドや、能力開発としての「非言語系研修」の可能性などを専門家とともに掘り下げる。

 

「間違った認識から始まった正しい論理」は間違いになる

 -2月のスタートから半年。日本ブラインドサッカー協会が提供する「OFF TIME」に来てくださる企業の人事や研修の担当者が増えています。曽和さん自身「OFF TIME」を経験してみて、どのような印象を抱かれましたか?

 

曽和:「やっぱりフィジカル系って威力すごいな」という感じですね。我々の会社で提供しているレゴ(レゴ・シリアスプレイメソッドという研修プログラム)は、まだ穏やかな、じわじわ来るみたいな感じなんですけど、ブラインドサッカーのOFF TIMEって、恐怖があったり、エモーショナルな部分に対してのインパクトがすごいですよね。

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松崎:企業研修の参加者などでも、始めは、何をやらされるんだろう、ブラインドサッカーって何だよ、障がい者スポーツかよ、みたいなところから入る方もいたりします。そこから、いろいろな感覚を味わって、変わっていくように思います。

 

-そのような感覚で味わう研修へのニーズの高まりなどはあるんでしょうか。長く研修の開発に携わってきた曽和さんが感じている時代の変化を話してもらえますか?

 

曽和リクルートにいた時(1995~2009年)も社内の教育体制をつくることを結構やっていました。あの頃はまだ、言語系のセミナーもあまり体系化されていなくて、ロジカルシンキングやMECEがどうということでも、齋藤嘉則先生や(コンサルティング会社の)マッキンゼーの人とつくっていたんです。組織戦略の高橋俊介さんであったり、楠木建先生とイノベーションや新規事業開発をやるとか、言語系の研修が当時は黎明期だったんです。

松崎:今でも有名な超一流の方々ですね。

 

曽和:それが今では、誰でもロジカルシンキングを知ってるし、元マッキンゼーとか、元ボストンコンサルティングみたいな人たちが世の中に散らばって、世の中全体の言語系のフレームワークを使って物を見る、分析するやり方はけっこう底上げされました。

ただその副作用として、言語で整理される概念的なもの以外はないという弊害も出てきているんじゃないかなと。例えば、「きれいに間違う」という言葉があります。戦略コンサルタントの人が来て、フレームワークによって曖昧な現実、リアルを捉えると、整理棚を作ってわかりやすくすると同時に、同じ物の見方しかできない、あるいはその枠組みのなかでちょっと漏れ出てくるようなもの、兆しに対しての感性はちょっと鈍くなっている。そんなことが、結構起こっている気がします。

「間違った認識から始まった正しい論理」を進めていくと、結論って間違うじゃないですか。それが「きれいに間違う」になるわけです。

松崎:なるほど。

 

曽和:左脳的、言語的、意識的なところに、ビジネスの世界での頭の使い方が偏ってしまっていて、結局、見立ての誤りや、あるいは兆しが見つけられない。だから、いろいろな問題が起こっている。

それを補完するのが、ブラインドサッカーのOFF TIMEや企業研修だったり、弊社がやってるレゴ・シリアスプレイメソッドとか、ダイアログ・イン・ザ・ダークの研修とか、インプロヴィゼーション(即興)研修だったりとか、僕が非言語系って呼んでいる領域なんじゃないかなって気がするんですよね。

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「研修慣れ」する社員、予定調和に陥る言語系研修

松崎:そのあたりで、人事ご担当者様レベルでいくと課題感って醸成されているんですか?

 

曽和:そろそろ来ている感じがしています。弊社で毎月、レゴシリアスプレイメソッドの無料体験会をやっているんですけど、そろそろ100社に達します。商社や金融、経団連に入っている大企業やメガベンチャーさん、そういう影響力のある会社に興味を持っていただいているというのが、一つの兆候としてあります。

なぜかな、とアンケートをとったり、目的を聞いたりすると、いわゆる言語系には“研修慣れ”してきている感じがあるんですね。何が正解かということがすでになんとなくわかっていて、その場でグループワークで本音をしゃべっているように見えても、実はその場の“社会的望ましさ”に合わせている。ポジティブな発表が本音かって言ったらわかりませんし、そんな予定調和の中に新しいものはできてないわけで、それでは最初からやる必要ないと思うんですよね。

松崎:確かに。

 

曽和:ところが、ブラインドサッカーやレゴなどの非言語系だと、研修ずれした社会的望ましさ、みんなが期待していることに合わせられないようになる。

非言語系のことって、これをこうしたらどう評価されるかということは、まあ、わからないですよね。自分でも何かわからないみたいなことでやっているので。防衛本能みたいなことを全部取っ払ったところで話ができるわけですよね。

例えば、取締役とか偉い人に対する研修というのは、社内政治もありますし、駆け引きとかがあったりして、ボロを出さないようにお互いけん制しながらやる時があります。そのような壁のある人たちに、非言語系の研修をやると、それが相互理解につながって真の理解につながるんですよね。 

松崎:それ、ものすごくよくわかります!

 

最終的に差がつくのは「アート」の分野

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松崎:人事担当者レベルからすると、経営層とか職位のある方が言語系と非言語系のバランス感覚を持つこと、という課題感を持ちにくいのかなっていう気がします。

 

曽和:そうですね。新人で入ってきたら、まずはロジカルシンキングとか、きっちり言語系のフレームをある程度までキャッチアップして来なさいということになるので、非言語系に関してやるという感じではないです。特に日本の企業は、オペレーションの力で勝ってきた会社が多いので、中堅以下の能力開発、キャリア開発が育成の中心だったわけです。 

松崎:そうですね。

 

曽和:ですけど、今って、そうじゃないです。次世代リーダー育成、卓越したリーダーをいかに継続的に切れることなく生み出していくのかが企業の競争力強化につながると考え、かなり上の方の人のキャリア開発や能力開発になってきています。

そういう時に、いわゆる経営幹部に近い人たちが左脳的、言語的、意識的なフレームワークに寄ってしまっている。ある特定の勝ちパターンに最適化してきたから出世しているわけで、そっち側に寄っている人が増えていると感じるんですよね。だから、まだ情報が足りない中での意思決定とか、あるいは陳腐化してきた勝ちパターンを外れて、新しいものを出していかなければならない時に、違った力を身につけていなくてはならない。

松崎:なるほど!

 

曽和次世代リーダー育成とか役員研修とか幹部研修になればなるほど、むしろ非言語的な能力を欲しているニーズというのをよく聞くんですよね。

松崎コンサルティング会社の方々に会った時に、マネージャークラスとシニアになる人たちの間に、大きな隔たりを感じました。皆さん、すごくロジカルで、スマートで頭も切れるけど、シニアになる人たちは全然違う雰囲気だなと。この雰囲気って何なんだろうと思った時に、今言っていただいたようなアート的な部分だなと思います。

 

曽和:ダニエル・ピンクが著書『ハイ・コンセプト』で言っていたと思うんですけど、今、マッキンゼーとかでもMBAホルダーももちろん取っているんだけど、最近はMaster OF Fine Artsを持っている人を採用したりしているそうです。

結局、みんなのレベルが上がっちゃったので、左脳的なところでは差がつかないんです。基本的に、データや計算は、同じ手法を使って、同じ分析をすれば、同じ結果が出てくる。昔は分析の仕方にうまい下手があったけど、今は全体が底上げされた。

結局、差がつくところはやっぱりアートの部分ですよね。

 

非言語研修がブレークするためには?

松崎:非言語系研修が需要喚起されてる背景は、よくわかりました。ただ、勉強不足で申し訳ないのですが、非言語系研修は全体的に盛り上がっているんでしょうか?

 

曽和先進的な人々の中で起こっているだけであって、まだ一般的にはブレークしてない。いくつか問題があると思っています。

まず、人事担当者がこれを理屈で説明できない。心理学など背景にあるものがあまりよくわからずに、子供の遊びみたいだなと思ってしまう。「それで何がわかるの?」と上の人に言われたら、ロジカルに説明できない。あとは、研修効果の測定で、非言語系の場合、より工夫しないと結果が「面白かった」で止まってしまう。何が変わったか、どこに力がついたのか、売り上げに貢献したか、というあたりの開発は、我々の会社を含めてもできていない部分がある。

それから、研修を提供する側に手法にこだわる人が多い。受ける側は、何か解決したい課題があって、その解決に適切なものを考えて、あとは会社の文化やテイストに合わせて、レゴがいい場合もあれば、ブラインドサッカーがいい場合も、他がいい場合もある。提供する側が、自分の得意なものですべてのことを解決しようとしがちだなあと。もうちょっと手を取り合ってというか、「マッピング」のようなものがあれば…。

松崎:この課題に対して、この解決策というマッピングですよね。

 

曽和:僕らが作らないといけないかもしれませんけど…。言語系の研修だったら、こういう課題なら、こういう知識やスキルをインプットすることによって、一部解消されます、という提案をしてくれる会社があります。一つの非言語系の研修に興味を持っている人も、他のを知るというのがあるといいと思います。互助組織、アライアンスというか、志ある者同士が提携して、お互いに紹介したりできるといいですよね。人事の側からみると、診断方法とその処方箋が明快になっていったら、ブレークする気がしているんですよね。

松崎:今度、何か一緒にやりたいですね! 本当に。

 

 OFF TIMEの威力は、あえて言葉にしない。“積極的思考停止”を

松崎:曽和さんのところでOFF TIMEをやった時は、見えないでボール追っかけるものとか、あと、お互いの声掛けの中で関係性が変わらないと回数伸びないというワークでしたね。

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曽和:「怖い!」って本能から入るので、動物的なところに働きかけてますよね。レゴは手は動かしますけど、まだ理知的にやっていく感じ。ブラインドサッカーは「非言語で無意識」というか、何が起こったかって聞かれると、なんか言えないんです。なんかわからないんだけどスッキリした、とか、そんな感じになっちゃうんですよね。インパクトがあって、なんかわからないんだけど、周りの人との間のコミュニケーションの壁が取れて仲良くなるっていう感じなんですよね。

松崎:いやぁ、まさに! 感じたことやそこで現れたことをすごく言語化しにくいんですよね。振り返りをかなりじっくりやっても、なかなか出てこなかったり、実はこういうこと感じてるのに、それが言語化できなかったり。

 

曽和もしかしたら、ブラインドサッカー研修をやった後に言葉にすると、「言葉にすると全部うそになる」。J-POPの歌詞みたいですけど。言葉に置き換えると、むしろ死んじゃうっていうんですかね。その経験、体験が。

松崎:自分たちが提供している研修って、導入の担当者がどこを腹に落としたいのかを突き詰めれば突き詰めるほど、安っぽい感じになるんですよ。終わった後に、「あれ、やりたかったことって、こういうことだっけ?」と。せっかくこの人はこんな風に感じてくれてるのに、無理にこっち引っ張ってきてもしょうがない。やっぱり非言語的体験のいいところって、感じ方が多様だったりすること。

 

曽和:ワインを飲んで、もう四の五の言わずに「うまいな」って思って飲んでいればいいのに、ウンチクの方に意識がいって、「いや、そんなところじゃなくて、もっと味に集中しろよ」みたいな世界ってあるじゃないですか。

松崎:すごくいい例ですね、それ。そう意味でいうと、非言語で得た気づきや学びとか体で得たものって、どうしたらいいんですかね。

 

曽和:非言語で影響を受けたものを測ろうとすると、例えば、気分はどうですかとか、ストレス値をはかったり直接的にここで経験したものが何で、どう変わったかだけを何らかの指標で考えるとか。間の理屈は置いといて、結果として得たい部分の指標を直接的に測ってしまう方がいいような気がします。なぜかわからないんだけど、ブラサカやったらストレス値が減った、証明されますというような。

松崎:以前、幸福学を研究している先生に体験頂いた時に「ブラサカはもう幸福学のスポーツだ」と言われまして。これをやったら幸福になりますというのを証明できるみたいな。

 

曽和:そう。それでいいと思うんですよ。ロジックじゃなくて、機能的に説明したらいい。「データをたくさんとるとこうなってます、以上」みたいな。謎だらけじゃないですか、人間の体なんて。なんだかわからないけど、何度繰り返しても同じ結果が出るなら、「やってみよう」となると思うんですよ。

松崎:なるほど。

 

曽和:例えば、入社3か月目で結構ストレス値が高まるという課題を持っている組織に対して、じゃあ新人3か月目でブラサカの研修を入れたら、必ず退職率が下がったり、ストレス値が下がりますというものが実験データとして取れたら、それで証明になると。 

松崎:面白いですね。

 

曽和:フィジカルなので、ブラサカの適用領域ってそういうメンタルとかリテンションとか、セラピーっぽい感じがするんですよね。言葉にできれば少しはましかもしれないけど、できない領域に働きかけるというか、そこに働きかけないと治らないということは、根深い問題を持っているものに関して強いかもしれないですよね。

松崎:レゴでもOFF TIMEでも体験する人に、「やるなら、こういうマインドを持った方がいいよ」とアドバイス頂くとしたら、どういうことになりますか?

 

曽和:自分がよく何を考えてるのかという所にフォーカスする、内なる声を聴くって言い方もしますけど、そういう心持ちで望むとよい気がします。でも、あんまりやりすぎちゃうと解釈が始まっちゃうかもしれないので「Don’t think feel」とか、あ、「積極的な思考停止」のほうがいいかもしれませんね。

松崎:今日はキーワードがよく出てきますね。

 

曽和解釈しない、決めつけないってことです。「名前を付けると死ぬ」というのがあるんじゃないかな。無意識のムワァーとした曖昧なものに名前を付ける行為は殺す行為であると。

松崎:意外と、やりっぱなしというのも効果があることなのかもしれない。

 

曽和:ずっと、味わうってことです。ごはん食べる時、みんなやってることですよね。だから、ウンチクを語る人がいたら、まずくなるじゃないですか。

松崎:ビールの「のどごし」だね、僕らは。大事だけど、のどごしを因数分解してもしょうがないですからね。

 

曽和:そののどごしはホップがどうのというウンチクはいらないですよね。そんなこと考えて飲んでる人なんて、ほとんどいない。だから、体験自体に目を向けさせる方がいいってことです。

松崎:今日は、何かすごく宿題をたくさんもらったような気がします。曽和さん、ありがとうございました。

 

OFFTIMEの申込はこちらから

興味を持った方は、まずはOFFTIMEを体験してみてください。

 ◯参加者の声

f:id:JBFA_b_soccer:20140904012035p:plain◯日程

9/11(木)15:00−18:00(振返会を含む)
9/11(木)19:15−21:00(終了後、懇親会が別途あり)
9/18(木)19:15−21:00(終了後、懇親会が別途あり)
9/25(木)19:15−21:00(終了後、懇親会が別途あり)
10/2(木)19:15−21:00(終了後、懇親会が別途あり)
10/16(木)19:15−21:00(終了後、懇親会が別途あり)
10/23(木)19:15−21:00(終了後、懇親会が別途あり)
10/30(木)19:15−21:00(終了後、懇親会が別途あり)

◯会場

新宿区新宿NPO協働推進センター(JR「高田馬場駅」下車徒歩10分)

申込はこちらからお願いします。