OFF T!ME|目をOFFにすると、発見がある。

日本ブラインドサッカー協会が運営する、ブラインドサッカー体験プログラム「OFF T!ME」のブログです。ブラインドサッカーで培ってきたものが、コミュニケーション、チームビルディング、ダイバーシティ理解に効果をあげています。

OFF T!MEインタビュー!!-りんごちゃん&ともさん-

こんにちは!ブラインドサッカー選手のけいちゃんです。皆さんはどこでこのブログを見つけたのでしょうか?また、どこでブラインドサッカーを知りましたか?教えてくれると嬉しいです。ぜひ、コメントをお待ちしていますね:)

それでは、OFF T!ME インタビュー第6弾。ぜひ、お楽しみくださいね♪
今回は、同行援護ガイドヘルパーの”りんごちゃん”と”ともさん”です。
*同行援護とは、視覚障がい者の外出をガイドヘルパー(同行援護従業者)がサポートする障害者総合支援法に基づく福祉サービスです。視覚障がい者の外出時に同行して必要な情報を提供しながら移動を支援する方がガイドヘルパーです。

りんごちゃんとともさんに事務所へ来ていただきました!

けい:りんごちゃん、ともさん、よろしくお願いします!

 

りんごちゃんともさん:よろしくお願いします!

 

ともさん:ちょっと緊張しているからメモを見ながらお話しますね。

 

りんごちゃんまっちゃんもよろしくお願いします。

 

まっちゃん:ぼくは、ずっとお2人のお話に興味があったので、同席させていただきました。よろしくお願いします!

 

けい:早速ですが、、、、オフタイムに参加された感想を教えてください。

 

ともさん:ブラサカ選手がかっこよかったです!みんなで協力して難しい内容を出来るようになったから楽しかったです。自分が見えない状態を経験したので、改めて見えない時のコミュニケーションの大切さや、見えることの大切さに気が付きました。

参加者の皆さん:けいちゃんの話を聞く

けい:ありがとうございます!他の参加者ともたくさんコミュニケーション取れました?

 

ともさん:はい!懇親会も盛り上がりました!こんな感じで大丈夫でしょうか、、、?

 

けい:はい!もちろん大丈夫ですよ。ありのままにお話いただければ嬉しいです!

 

ともさん:はい!よかったです。

 

けい:りんごちゃんは、いかがでしょうか?

 

りんごちゃん:初めて会った人同士でも壁を取っ払って、見えない状態で体験して仲間になれるのがよかったです。名前を呼ぶのがポイントと言っていたので、みんなで認識し合うことが出来て、一歩踏み込んでコミュニケーションを取ることが出来たと思います。

みんさんに名前を呼ばれるりんごちゃん

けい:りんごちゃん、りんごちゃんって、皆さんにめちゃくちゃ呼ばれてましたね。なぜ、りんごちゃんなんですか?笑

 

りんごちゃん:ガイドネームです。りんごが好きなので、、、。

 

けい:親しみやすくて、覚えやすいですね!ともさんはガイドネームありますか?

 

ともさん:私はとものままです。

 

けい:シンプルで分かりやすいです!

 

けい:お2人はオフタイムでどんな内容が印象に残ってますか?

 

ともさん:準備体操ですね!知らない人と組んで、一所懸命伝えましたが、伝わらなかったです。答え合わせの時に言葉の大切さを実感しました。

ともさん:仲間に体操を説明する

けい:準備体操は伝えたいけど、複雑なストレッチだと伝え方が難しいので、もどかしくなっちゃいますね、、、。りんごちゃんはいかがでしょうか?

 

りんごちゃん:全員でアイマスクする体験ですね。司令塔が現れて、みんなをまとめてくれた。それに、体験会が始まる前なのに、みんなブラサカボール初めて触るので、自然にパス回しが始まったのが驚きだった。

 

ともさん:スポーツの良さだね!

 

りんごちゃん:本当に誰も「始めよう」って言わずとも、自然に始まったよ。

 

ともさん:いいですね!

 

りんごちゃん:最初はボール1つでやってて、途中からボールが増えて、大変だったよ。笑

 

ともさん:すでにスタートから楽しそう!!

 

けい:そうですね!皆さん楽しそうにやっていましたね!お互いにニックネームを呼び合いながら実施してましたね。

 

けい:コミュニケーションが大変とおっしゃっていますが、同行援護の時にいつも視覚障がい者に声をかけて情報を提供しているので、オフタイムでの声かけもスムーズではなかったですか?

 

りんごちゃん:情報提供の種類が違うかも、、、。体験では自分も見えないから発信しないといけなかったから、使う能力が違うと思うな〜。体験中は意思疎通するために”クロックポジション”を使うけど、ガイドの時は自分が言いやすいように工夫してるからあまり使ってないんですよ。自分が見えているから、「もうちょっと前」とか言っちゃうもんなー。

 

けい:クロックポジション大事ですね!目の前にアナログ時計があるイメージで、遠いところの正面が12時、右が3時とか言うよ。物の場所とか道を教える時に使う人もいますね。自分は逆に使っちゃいます。たまに「3時半」って言います。笑

 

りんごちゃん:そうなのー?笑

ともさん:仲間にボールの場所を教える

けい:(笑笑)ともさんは何回かご参加いただいていますが、2回目以降と初回とで何か違いなど感じますか?

 

ともさん:オフタイムに参加する前は、「安全に行けるかな?」、「この情報量で大丈夫かな?」って、いつも緊張しながらガイドをしていたのですが、それだと利用者さんにも緊張感が伝わってしまうと思いました。利用者さんには緊張よりも、外出している時の楽しさを伝えたいと思い、オフタイムの何かが役に立てると思い参加しました。参加してみて、分かりやすい説明の方法を発見したので、その発見を身につけるためと、伝える技術を磨くために何回も参加しています。

 

けい:外出する時は楽しい方が利用者さんにとっても嬉しいですもんね。そもそも、お2人の同行援護のガイドヘルパーを始めたきっかけはなんでしたか?

 

ともさん:前職は接客業でしたので、視覚障がいのお客さまも多く、どうやって楽しんでお買い物が出来るか、どんな方法が良いか考えた時に、調べたら同行援護が出てきました。それで、資格を取ろうと思いました。

 

けい:そうなんですね!自分もそうですが、視覚障がい者は、情報を取るのに時間かかるので、物を選ぶのがめんどくさいと思ってしまい、同じ物を選ぶことが多いんですよ。そこで店員さんが優しく説明してくれると新しい物に挑戦したくなります。

 

まっちゃん:僕は選手に飲食店のメニューを説明するのですが、写真の説明が苦手なので時間がかかってしまいます。その時に店員さんの説明があると僕も助かりますね!笑

 

けい:りんごちゃんはいかがでしょうか?

 

りんごちゃん:歩いている時に白杖を持っている方をよく見かけます。バスが来たタイミング、電車に白杖が詰まったり、困ってそうな状況はずっと気になっていました。「声をかけたいけど、ちゃんと案内が出来る知識が欲しい。」とか「どういうふうに案内やお手伝いが出来るか知りたい。」って思ってた。

 

けい:そうですよね。お手伝いしたいと思っても、どうやって声をかけたら良いか分からないですよね、、、。「何かお手伝いしましょうか?」って声かけると良いですが、皆さん知らないですもんね。

 

りんごちゃん:そう!そういう情報を知りたかったんだよー。コロナ禍だったので、情報は過去のものばかりで、なかなか良い情報が見つからなかったんだ。何かのきっかけで、ブラサカ協会を見つけて、同行援護の情報を見て、ガイドヘルパーを募集したり、研修もやっているので、色々教えてもらえると思いました。

 

ともさん:私は研修に参加して、たくさん教えてもらいました!

 

りんごちゃん:ガイドになって、一歩踏み出したって思った。色々新しいことに出会えて、ブラサカもそうだし、ともさんと出会って、オフタイムを教えてもらったしね。

 

けい:そういう繋がりがあったんですね!オフタイムが同行援護や生活に活かせることなどありますか?

 

ともさん:オフタイムに参加してブラサカに詳しくなって、ブラサカが友人やお客さまとの会話のきっかけになっています。それと、言葉で説明しようと意識したり、自分の気持ちを伝えるけど、相手の気持ちをさらに確認することを心掛けています。

 

りんごちゃん:事務職なので、社内での情報提供を常に考えています。色々な情報から「何をこの人に伝えるか」、「伝えたいことを伝えられているか」、「色々なことを伝えると情報がボケて分からないな」とか、思考回路のもっていき方のクセがついてきたと思う。

 

けい:お2人はガイドヘルパーだけでなく、ボランティアとして大会運営にも来ていただいていますよね?同行援護などの福祉サービスを統括している岡本に無理矢理にお願いされているんですか?笑

 

りんごちゃん:バレた?笑

 

ともさん:はい、、、。お願いされてます。笑

 

りんごちゃん:(笑笑) 最初に「手引き体験をやりたい」って言われました。ブラサカ大会運営のボランティアに入ったことがあり、大会の雰囲気は知っていたので、初めてだけど一緒に試行錯誤して出来ると思った!

りんごちゃん(左):大会のブースを運営中

けい:即答でOKだったんですね!

 

りんごちゃん:そう。ガイドヘルパーがいなくて、マッチングが出来ないって聞いてるし、平日も行きたいけど、会社があって行けないから、ガイドヘルパーが増えるといいなって思ってた。岡本さんがガイドヘルパーを増やそうと頑張ってることやガイドヘルパーになるための研修の回数を増やしてるのを知ったから、「色々な方に同行援護に行って欲しい!」って思ってお手伝いを決めた。

 

けい:思いが通じあったんですね!

 

りんごちゃん:そうです。その時のブースでともさんと出会いました!

 

ともさん:「風が強くてゆっくりアテンドしましょう」と話しながら、他の方とも仲良くなりましたね。

 

けい:ブース運営に携わっていた皆さんがホスピタリティの高さと、お客さんに笑顔で接しているところが、すごく印象に残っています!

 

りんごちゃん:ガイドが楽しいから色んな方にやってほしいと思っているからかな。ガイドは大変だし、色々気をつけないといけないことはありますよ。でも、大したことあるけど、大したことないって思う。見え方の度合いが違うだけで、一緒にお話しすると楽しいと思っています。それを皆さんに知ってほしいですね!

 

けい:安全第一ですが、楽しんでいるんですね!

 

りんごちゃん:そうですね!色んな方の話、ブラサカ代表選手とのお出かけ、一緒にブラサカ練習したり、色んな話を聞けたり、経験したり楽しいよ。皆さんの経験や考えが違うので、生活様式も違う。見えないから生活するのに工夫が必要で、それぞれ自分で工夫しながらストレス溜めないように”選択”しながら生活してるって感じた時にストンと思った。

 

けい:確かに自分がやりやすように常に工夫してます。

 

けい:ともさんはどうですか?

 

ともさん:新しい情報が入って、新しい世界を知れたことですかね。私は視覚障がいの知り合いに”ミートミークス”アプリを紹介されました。他の同行援護は、利用者とガイドヘルパーが話をして、予定を合わせるのですが、時間がかかるので、依頼を断られることが多いそうです。それをアプリでマッチングが出来るのは便利と思いました。

 

けい:アプリにチャット機能もあるので、すぐにやり取りが出来ますもんね。

 

ともさん:事前にアプリで利用者さんの行きたいお店や欲しい物を知ることが出来るから、行く前に準備が出来るからさらに良い時間を提供出来ると思った。便利だからみんなにもミートミークスを使って欲しいと思った。

 

りんごちゃん:そうね。事前に情報収集が出来るから当日慌てなくても大丈夫なのが良いです。利用者さんも安心出来ると思います。

ともさん(右):大会でお客さまと手引き体験をする

けい:オフタイムの時も同行援護の話で盛り上がってましたね。

 

りんごちゃん:オフタイムに参加した時に「ガイドやってる」って言っても、他の方は何をやっているか分からなくて、説明しちゃったよ。

 

ともさん:私の時もそうだった!

 

りんごちゃん:社員研修とかに取り入れてもらって、みんなにもっと知って欲しいね。やってることろを見せないと想像つかないから、声かけようと思ってもやり方分からないと声掛けしにくい。

 

ともさん:私が説明する時は、介護ヘルパーって先に言ってしまう。ガイドヘルパーは認知度が低いから介護って言うとイメージ出来る人が多いですよ。そこからガイドヘルパーの説明をしてます。

 

りんごちゃん:それ分かりやすいですね!去年までは私も知らなかったです。ボランティアかと思いました。

 

ともさん:私もです。

 

けいガイドヘルパーという単語自体があまり知られていないんですよねー。毎回の外出が楽しいとおしゃっているお2人ですが、印象に残っているエピソードはありますか?

 

ともさん:利用者さんと一緒に洋服を選んだことがありました。前職の経験を活かすことが出来た!一緒に探して良いものを買えたから、お互いが楽しくて、winwinだった!

 

けい:面倒くさがらずに、じっくり説明してくれるのは本当に嬉しいです!りんごちゃんはどうですかー?

 

りんごちゃん:情報提供が出来た瞬間だね。そうだねー。映画とランチに行った時ですね。疑問に思っていることがあって、見えている情報だと答えが分からなくて、UDキャストの音声ガイドを聞いていた利用者さんに確認したら、視覚情報はなかったけど、音声情報には答えがあった。その時に答え合わせ出来たのが楽しかった。情報提供している側だけど、情報を提供されている側でもあるって思った。

 

けい:UDキャストの音声ガイドは映画とかを音声で説明してくれる映画館にあるアクセシビリティですね。テレビの副音声みたいなイメージですね。確かにあれは便利です!

 

ともさん:利用者さんと映画は行ったことないけど、博物館とかの音声ガイドは聞くと楽しいですね。答え合わせね。盛り上がりますね。エピソードを聞いてるだけで楽しいですね。

 

けい:お2人のように楽しく活動いただいている方がいるので、自分たちの生活が豊かになっていると感じます。こらからもよろしくお願いいたします。最後にひと言お願いします。

 

りんごちゃんガイドヘルパーは楽しいですよ。

 

ともさん:一緒にオフタイム参加して楽しい時間を過ごしましょう!

子どもたちも気軽に同行援護を体験出来る

今後の開催

◎9月13日(金) 19:00-20:30 / 会場:神田
◎9月25日(水) 19:00-20:30 / 会場:高田馬場
◎10月18日(金) 19:00-20:30 / 会場:神田
◎10月25日(金) 19:00-20:30 / 会場:高田馬場
※毎回、現役のブラインドサッカー選手が参加します!
※ボールを使用しますが、練習して試合出場が目的ではないため、運動が苦手な方もお楽しみいただけます。
※HP / お申し込み:https://www.offtime.jp

 

けいちゃんのつぶやき

今回はガイドヘルパーとして活動いただいているお2人にお話していただきました。「ガイドヘルパーはハードルが高い」、「視覚障がいの方と一緒に歩くので特別な知識が必要」と考える方がいらっしゃると思います。そんなことはありませんよ。例えば、飲食店のメニューを読んだり、一緒に歩く時に「階段登りますよ」と声をかけたり、このお野菜は⚪️⚪️円ですよと情報を伝えたりすることが多いです。りんごちゃんも言っていましたが、ガイドヘルパーをすることはたいしたことありますが、大したことないです。ぜひ、興味を持ってくれると嬉しいです。

同行援護:https://www.b-soccer.jp/news/19062-meetme-x-2