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日本ブラインドサッカー協会が運営する、ブラインドサッカー体験プログラム「OFF T!ME」のブログです。ブラインドサッカーで培ってきたものが、コミュニケーション、チームビルディング、ダイバーシティ理解に効果をあげています。

第6回目のOFFインタビューは「情熱とチャレンジの男」、外薗さんです!!

 

オフタイムブログをご覧の皆様。


こんにちは!ブラインドサッカーの選手のハジこと寺西一です。
梅雨入りし、この時期らしいじめじめとした毎日が続いておりますが体調など崩されてはいないでしょうか。こういう時期は部屋をきれいにして屋内で過ごす時間を充実させたいものです。


さて、前回からだいぶ時間をいただいてしまいましたオフインタビュー!!
今回はあしなが育英会 心塾にお勤めの外薗(ほかぞの)明博さんにお話を伺いました。
大学までは野球に打ち込みその後教育の道に進まれた外薗さん。

 

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好奇心旺盛で何にでも「まずやってみよう」という気持ちで挑戦するという熱いパワーに満ち溢れた方です。
外薗さんの教育観にも絡めてオフタイムについて伺ってきました。

 

 

 

ハジ:「外薗さんには去年のちょうどいまくらいの時期と先月オフタイムにご参加いただきましたがそもそもオフタイムを見つけたのはどのようなきっかけだったのでしょう??」
外薗:「パラリンピックスポーツを何か体験したいという思いがあって探していたんです。そしたらオフタイムがあって。まずはやってみようという性格なのでとりあえず申し込んでみました。」


ハジ:「どうしてパラリンピックスポーツを体験しようと思ったのですか??」
外薗:「自分自身の体験とも重なって興味を持ちました。小学校から野球を大学卒業するまでやっていたのですが、中学の時に肩を壊した時期がありまして。ピッチャーだったのですが投げられなくなってしまったんです。何かできないことが出てくると人っていろいろなことを考えたりできない中でどうするかを必死に試行錯誤するんですよね。これってパラリンピックのスポーツにも共通していると思いました。そういったことを学生に気づかせるためにも、インパクトのある体験が重要です。パラリンピックの競技や選手の生き方を通して何か気づいてもらえるのではないかと思い、申し込みました。」


ハジ:「なるほど!!学生さんには日頃どのようなことを主として伝えているんですか??」
外薗:「大学を卒業してからは青年海外協力隊などでウガンダに行ったり学校の先生を三年間ほどやっていた時期がありました。そこではスポーツを通じた人間教育というのを軸に伝えていました。私は、15年間の野球選手歴と5年間の指導経験から、また、世界から日本を見て、憂いていることがあります。日本青少年研究所の調査で、高校生が「自分が価値のある人間と思うか」との問いに「全くそうだ」と答えた割合は米国が57.2%、中国42.2%、韓国20.2%に上った。しかし日本はわずか7.5%であったという結果です。自殺者も15年連続で年間3万人もの人々が自ら命を断っています。なぜ、経済的には世界トップである日本がこのような状況にあるのでしょうか?私は、若者たちが高い自尊感情をもち、精神的に自立し、自らの可能性を開花できる教育を目指し、日々実践しています。」

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ハジ:「かなり情熱的なテーマですね。実際に参加してみての最初の感想ってどんな感じでした??」
外薗:「アイマスクをしている人に物事を伝えようとした時に簡単なことほど丁寧に伝えなければいけないということに気づきました。ここまで言えばわかるであろうというのはほぼなかったですね。言葉をすごく選びました。」

 

ハジ:「普段の簡単なことほど伝わらないですよね。逆に自分がアイマスクをした時はどうでしたか??」
外薗:「誰かが声をかけてくれて傍にいないと何もできませんでした。相手の人の存在をすごく意識しましたね。」


ハジ:「普段以上に他社の存在とか距離感を意識しますよね。その後チームに分かれて勝負をしていくわけですがチームの中ではどんなことを意識しましたか??」
外薗:「もともとスポーツをしていた人間なので勝負となるとついつい熱くなってこうするといいとかもっとこうでないととか周りの話を遮って話をしがちなんですが、そこはぐっとこらえてチームの全員の話を引き出せるようにしました。意見を言いやすい環境づくりですね。」


ハジ:「調整役というかうまくみんなの話を引き出してくれる人がチームにいるかいないかでは大きな違いですね。」
外薗:「そこから信頼関係とかも生まれてきますからね。」
ハジ:「信頼関係が今できたって感じる瞬間ってありましたか??」
外薗:「アイマスクをしている人の動きが明らかに機敏になっていったんですよ。たぶん周りの人のことを信頼することができ、この範囲ならある程度のスピードが出せると思っていただけたんだと思います。同時に周りの人からすると安心することができる声掛けができたんだと思います。やっていて信頼と安心の関係性に気づくことができました。」
ハジ:「信頼と安心の関係性ですか。素晴らしい気付きですね。」
外薗:「どちらが欠けてもならないものですからね。チームである以上は一人ではできませんからね。」
ハジ:「おっしゃる通りですね。」

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ハジ:「ちょっと視点を変えてお話を聞きたいのですが、普段大勢の学生さんと接しておられてなおかつ人間教育にも力を入れておられる外薗さんにとってオフタイムが果たすことの役割ってどんなことがありますか??」
外薗:「まずはインパクですね。こんなサッカーがあるんだとか見えなくてもこれくらい動けるんだとかっていうインパクトは大事ですね。」


ハジ:「最初の驚きは皆さん結構おっしゃられますね。体験していく中では何かありますでしょうか??」
外薗:「いかに自分が伝えるべき対象の人を主役にして考えてあげられるかですね。そこから仲間意識が生まれ、仲間意識があるから挑戦することができるんです。自分は国内でも国外でも恵まれない境遇にいる子供とたくさん接していますが、ついつい「お金がないから」とか「親がいないから」と言って挑戦することをやらなくなってしまうんです。でもそんな環境だからこそ楽しむ必要があると思いますし、そういう人を育てなければならないと思っています。今の教育の中では足りていない部分です。」
ハジ:「教育の中で減ってきているものも補えるということですね。楽しいと思えれば挑戦もできますからね。貴重なお話をありがとうございました。」

 

インタビューが終わってからも話は尽きず教育やスポーツのあり方などについて熱く語らせていただきました。

ご協力いただいた外薗さんありがとうございました。

 

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