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日本ブラインドサッカー協会が運営する、ブラインドサッカー体験プログラム「OFF T!ME」のブログです。ブラインドサッカーで培ってきたものが、コミュニケーション、チームビルディング、ダイバーシティ理解に効果をあげています。

第5回目のOFFインタビューは私の中・高・大の先輩である鈴木さんです!!

こんにちは!ブラインドサッカーの選手をしておりますハジこと寺西一です。

 

 今月最初のオフインタビューは、私の中学、高校、大学の先輩であります鈴木里子さんにインタビューをさせていただきました。スポーツが好きで、とても活発なキャラクターの鈴木さん。ご自身も視覚障がい者で、その立場からも貴重な話をうかがえました。

 

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ハジ:鈴木さんには去年の7月にオフタイムに参加していただきました。その前までに、ブラインドサッカーに接する機会はありましたか?
鈴木:学生の頃だったでしょうか。どんな機会だったかは、はっきりとは覚えていないのですが、やったことはありました。なので、アイマスクをするとか、ボールから音が出るとかの基本的なルールとやり方は知っていました。


ハジ:オフタイム自体はどのようなきっかけで知ったのですか?
鈴木:会社の別の部署の人から「人事の皆さん、いかがですか?」と案内が来ていたんです。それと同じ時期に、部署の後輩から「寺西という後輩がこういう活動をやっているようです。皆さん、行きませんか?」と呼びかけてくれたんです。学生時代にブラインドサッカーを体験したことがありましたし、体を動かすことも好きなので参加しました。


ハジ私の高校の時の先輩が、偶然、鈴木さんの会社で働いておられて、しかも人事の仕事をしておられると聞いて、少々無理を言って来ていただいたんですよ。実際に体験をされた感想はいかがでしたか??
鈴木
私自身も弱視ですし、盲学校にもいたので、見えない人に接することには慣れていますし、どのように伝えると良いかもわかっているつもりでした。でも、向かい合っている人の動きを自分と同じ向きにいる人に伝えて動いてもらわなくてはいけなかったんですが、とても難しかったです。


ハジ左右が逆転するだけで、かなり混乱しますよね。うまく伝えられない時が私もよくあります。他のワークはどうでしたか。
鈴木:全員がアイマスクをして動くワークがあったのですが、普段見えている人がアイマスクを着けて一斉に動き出すとおそらく収拾がつかなくなるし、下手に動けば混乱し衝突の危険があると思いました。だから、手をたたいて音を出して他の人との違いを表したり、時には自分から、いち早く声を出してリーダーシップをとって周りを集めたりしました。

 

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ハジ見えないという経験が他の参加者の人よりもあるからこそのアイデアですよね。「コミュニケーションの癖」と私達は時々表現したりしますけど、まさに鈴木さんだからこそできるコミュニケーション術を発揮したわけですよね。そういった鈴木さんへの他の参加者の方の接し方ってどんな感じでした??
鈴木:私の場合は、視覚障害と言っても見えているので、周りが心配するほど難しいことはありませんでした。一緒にやったら、普通にできちゃったって感じです。最初は「上から投げても平気ですか?」と聞かれましたけどね。


ハジ意外とそうなんですよね。少し前に外国人の参加者の方にこのインタビューをしたことがあるのですが、同じようなことを言っていました。その人の場合は日本に住んで長いので、言葉で不自由することはそんなになさそうでしたが、やはり周りの人が勝手に気を使ってしまうようですね。会全体としては何か感じられた部分はありますか??
鈴木:私は人事の仕事をしていますし、企業研修でも使われているプログラムであるということも知っているのですが、サッカーと名前がついているので、たとえ研修と言われていてもボールを蹴りまくるものだろうなと感じてしまう人もいるかなと思いました。


ハジこれは私達も課題というか、結構ジレンマですね。ボールを蹴りまくれて、研修のプログラムとして学びのあるものだといいんでしょうけど。サッカーの技術とか運動経験がそれぞれの人で差がついてしまって、そこを埋めるので精いっぱいになってしまうんですよね。でもいつかはもっとボールを蹴ることができて、学びのあるワークを作りたいと思っています。
鈴木話で聞いていても、サッカーをやると思ってくる人も多いと思うんですよね。


ハジもっと蹴りたかったという人は、たくさんいますね。話は変わりますが、オフタイムで知り合った皆さんで集まって飲み会をしていましたよね。私達からすると、参加者の方が集まって飲むってちょっと新しいと思いましたし繋がりを持っていただけるってとても嬉しく感じたのですが。
鈴木
私としては、そんなに珍しいことではなくて、異業種の研修とか交流会などで知り合った人と飲みに行ったりすることは良くあるんですよね。


ハジなるほど!共通の話題もありますし、差こそあれ、目的を持って参加されている皆さんなので打ち解けやすいですよね。最後になりますが、オフタイムを勧めるとしたら、どんな人に勧めたいですか??
鈴木団結をこれから必要とする人達にはお勧めですね。あの時、一緒にやったという思いから仲間を作ることもできるでしょう。大学生だと授業がバラバラなので、そこまで深くは難しいかもしれないですね。


ハジ団結とか、あの時一緒だったっていう繋がりの中から飲みに行けるような仲になれればいいですよね。
鈴木
私の会社でも新入社員研修では、なるべくいろんな組合せのグループを作るようにしています。そうすることにより、一緒に何かをやったということからお互いの関係ができてくるのものです。

 

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ハジ何も知らない手探りの中で共通の体験があると、それだけで一気に距離が縮まりますよね。本日はインタビューに答えてくださりありがとうございました。  

 

今回のインタビューでは一人の参加者としての視点のみならず、視覚障がい者としての視点や人事の仕事をしている中での気づきなど、いろいろな視点から語っていただきました。後輩としてもとても興味深くお話を伺わせていただきました。鈴木さんありがとうございました。

 

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