OFF T!ME|目をOFFにすると、発見がある。

日本ブラインドサッカー協会が運営する、ブラインドサッカー体験プログラム「OFF T!ME」のブログです。ブラインドサッカーで培ってきたものが、コミュニケーション、チームビルディング、ダイバーシティ理解に効果をあげています。

OFF対談(上)〜OFF T!MEって、どんな感覚?

このたび、体験プログラムを開発した日本ブラインドサッカー協会の松崎英吾事務局長と、「OFF T!ME」の名付け親である澤田智洋さん(コピーライター/CMプランナー)の対談が実現しました。

 「OFF T!MEで得られる新しい感覚」「プログラムの裏話」「今後のさらなる可能性」の3回にテーマを分けて、語ってもらいました。体験を通じて共感しあっているからこその本音の話です!

 

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【OFF対談(上)〜OFF T!MEって、どんな感覚?】 

-松崎さん、澤田さん、お2人の出会いはどんな感じでしたか?今は楽しそうに話してますけど、知り合って、まだ1年も経ってないんですよね。始めから打ち解けられましたか?

 

澤田:息子が1歳で視覚障がいをもっています。でも、周りに障がい者と関わりのある方が全然いなくて、どういう世界なのか、未知すぎて、半分恐怖心がありました。それで、障がい者とか障がい者を雇用している団体の経営者などに2013年の6月くらいから会っていまして、その中の一人が松崎さんでした。ブラインドサッカーの人と聞いて、困っている人たちだと勝手に思っていましたけど、会ってみたら全然違って、イノベーティブだし、チャレンジングだし。息子が視覚障がいだと言うと泣いてしまう人もいるけど、松崎さんはニコッとしましたよね。

 

松崎:澤田さんの息子さんが視覚障がい者だと聞いて、初めてブラインドサッカー選手の英才教育ができると思いました。親も理解があるしなあ、と…。

 

澤田:障がい者と関わる人と会うと、いろいろな課題の宝庫だなと感じました。広告代理店で課題を解決する仕事をしているけれども、大手企業よりも課題がすごい。広告代理店のコピーライターという立場で、もともとあった価値を料理して、新しい価値に生まれ変わらせるということを好きでやってましたから、それで障がい者の課題に役立てないかと。マーブルナイト(OFF T!MEの前身である社会人向けの体験プログラム)に参加して、その良さを何とかか伝えたいというのがきっかけになりました。

 

松崎:澤田さんたちからブランド展開とかいろいろと提案して頂いて、僕らもいろいろと意見を出していって、意気投合した部分もありますね。

 

-OFF T!MEでは、アイマスクをして目をOFFにして、コミュニケーションを考えるというのが一つの良さですよね。今の時代はコミュニケーションがおかしな場面が目に付きませんか?

 

●現代人に必要なのは“オーバーON”から、全部OFFにすること

澤田:家族が、食事の時に一緒に座っていても、お父さんはテレビ、お母さんはスマホ、子どもはゲームをしていたりしますしね。電車に乗っていても、3ヶ月ぐらいの子どもが泣いているのに、お母さんがSNSに集中したりしているのも見かけたことがあります。職場でも目の前にパソコンがあるから、打ち合わせに集中できていません。いろいろなものがONになってます。僕は、そういう状況を勝手に“オーバーON”と呼んで、どうやったら解決できるのかを考えていました。松崎さんのアイマスクを使ったワークを体験して「全部OFFにすればいいんだ」と気がつきました。お金もかからないし、1秒で出来るんです。OFF T!MEの内容は、現代人に必要とされるものです。

 

-澤田さんが体験した時はどんな感想を持ちましたか?

澤田:楽しかったですよ。知らない世界が目を閉じただけで広がっていくなんて、経験したことのない2時間でした。それから、上司と後輩の3人で行きましたけど、参加前に比べて2人との関係性が良くなりました。声を掛け合うし、親密になれてうれしかったです。目を閉じるということは危機的な状況に陥るということで、仲良くならないと生きていけません。それがいいと思いました。

 

松崎:終わった後の懇親会でも、同じチームのメンバー同士がすごく親しくなっているなと感じることがありますね。時には擬似恋愛のようになっていると見えることも…。

 

●同僚と2時間ですごく親しくなった

澤田:僕は会社の同じ部署の人とOFF T!MEで無理矢理同じチームになったんです。その前は、いい関係で仕事はするけれども、そんなに深い関係ではありませんでした。でも、OFF T!MEをやってみて、みるみるつながっていくのが面白かったです。1年半で出来なかったものが2時間でできたのがすごい。

 

松崎:澤田さんは周りに巻き込まれて楽しんでいたというよりは、マイペースで楽しんでいましたね。

 

澤田:1回目は頭のいい人たちと、2回目は無邪気な人たちとやれて、参加するたびに違う気づきがあるんです。僕がすごく面白かったのは、他人が自分の一部になっていくと感じたことです。ボールをみんなで扱うワークで感じたのは、みんなで一つの物になっていくという感覚でした。

 

松崎:見えない物でつながる。チームって違う物に化けますね。

 

澤田:身体の拡張というか、それがチームワークとしてあるべき姿でしょうね。セグウェイに乗っている感覚と似ています。前に行きたいと思うと重心が前に傾き、その信号をキャッチしてセグウェイが前に進みます。それは、自分の身体が進化した感覚。OFF T!MEで得られる感覚はそれに似ていて、すごく気持ちいい。自分がひとつ上のステージに上がれる感覚。しかも知らない人と一緒に。

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次回、【OFF対談(中)〜プログラムの裏話】へと続きます。

お楽しみに!

 

*OFF T!ME(オフタイム)

 平日も、休日も、昼も、夜も、開催中。

 http://www.offtime.jp/

 

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